土地の価格はどのように決まるか
土地選び、土地探しはとても難しくて重要なところですので、皆さま色々悩まれます。人気の土地になると迷っている間に、他の客に買われてしまいますので、ある程度のスピード感も大切になってきます。そういうわけで、探し始めて2~3年悩まれる方も多いです。今回は土地の価格に関して、押さえておかないといけない重要な項目を上げていきます。
1. 相場価格
2. 土地の形状
3. 環境
4. 法令・規制
5. 地盤強度
6. 売り主(不動産屋や所有者)の事情
これらの要素が複合的に組み合わさって土地の価格が決まります。では、それぞれの要点を見ていきます。
1.「相場価格について」
正確に適正な相場価格は、実はプロの不動産業者にしか分かりません。素人が様々な相場事情を理解するには、数を見て回って徐々に理解するしか無いと思います。しかし、最初に目安として利用するのに有効なのは、
①地価公示価格/国土交通省のウェブサイト(http://tochi.mlit.go.jp/)
②路線価格/国税庁のウェブサイト(http://www.rosenka.nta.go.jp/)
③都道府県地価調査/都道府県地価調査(各市役所のホームページ)
の3つです。②の路線価格は公示価格から約2割程減じた表示となっていますので、目安価格=路線価格×1.25倍、となります。ただしこれらは、あくまで目安であって他の条件により実際の価格は変動します。
2.「土地の形状について」
整形な四角形、または十分な広さのある土地なら問題はありません。そのかわり、値段もそれなり高額になると思います。変形敷地、傾斜地、狭小地など建物が建てにくそうなイメージの土地の場合、人気が無く、値段は下がる場合が多いです。しかし、変形敷地や傾斜地、狭小地などは設計の仕方によっては、面白い魅力的な住宅がつくれる場合があり、必ずしも実際に建物が建てにくい訳ではありません。購入に迷った時は、是非、私たちにご相談ください。
3.「環境について」
主なチェックポイントは以下です。
①交通の利便性
②買い物の利便性
③住環境(通風、湿気、日照、景観、騒音、防犯、災害等)
④医療・福祉施設へのアクセス
⑤子育て、教育環境
できるだけ敷地周辺を歩いてみたり、インターネットで周辺環境を調べたり、地元の人に評判を聞くのも良いかもしれません。
4.「法令・規制」
土地にどのような規制があり、どの程度の大きさの住まいが法的に建てられるのかは、敷地によって様々なので、建築士に相談しないと最終的に分からないと思います。一般的に一番馴染みのある法令は、建ぺい率、容積率などのように、土地面積に対してどのぐらいの広さの建物が建てられるのか、という規制です。あと、第一種低層住居専用地域、等の用途地域による規制です。これは、ある程度の目安にはなりますし、大きな問題が無い場合、そのままの数字通りに建てられます。
しかし、建物に関係する法令は様々なものがあります。主なもので、建築基準法、都市計画法、消防法、宅地造成規制法、道路法、駐車場法、自治体の建築条例、景観条例、その他場所によって色々な規制がかかってきます。これらを全て把握し、役所と協議し、計画案を考案するのは一般には知られていませんが、意外に大変なことなのです。また、法令の運用次第では、場合によっては建築不可という場合もあり得ます。ですので、設計能力だけで無く、法律にも詳しい設計事務所を選ぶことが大切です。
5.「地盤強度」
地盤強度が弱い場合、建物を建てるにあたって地盤改良や、杭を打つ必要があります。しっかり対策すれば良いのですが、購入前に土地の持ち主、不動産屋に地盤の強度について「地盤改良の必要が無いか」聞いておきましょう。地中の見えない部分での欠陥は後々大きな出費が必要になります。不明な場合は、購入前に地盤調査をするのも良いと思います。私たちに設計を依頼頂ける予定のお客様には地盤調査と分析のサービスを行っています。
6.「売り主の事情」
実はこれが一番相場に影響するところかもしれません。例えば、売り急いでいる物件は安くなりますし、他の人と競合するぐらい人気の土地は高くなります。ただし、本当にお得な掘り出し物は、業者が先に目を付けていますので、一般市場には出ないことが多いです。まずは、買う側が急いで高く買いすぎないように注意しましょう。
以上が一般的に注意する項目です。
しかし、本当に最も重要なのはあなたが「そこに住みたいかどうか?」を自分の本心に聞いてみることです。これは直感的で、ある種動物的な営巣本能に頼るということなのですが、人間だって動物です。今居る場所が自分にとって快適かどうかは、直感で見分けられるはずです。
まず、その土地を初めて訪れた時の印象を注意深く思い出してみましょう。周りの景色や、光の入り方、風の抜け具合、駅から歩いてきた道、など色々と思い出すうちに何となく好印象なのか、悪い印象なのかがぼんやり分かってきます。また、その土地には一つとても気に入った部分があるというのも重要です。その気に入った部分(例えば景色が抜群に良い。等)があれば、他のところは多少悪くても気にならない。・・・と思えるなら、それもあなたに合った土地なのだと思います。