1. 住みたいエリアの決定

 

土地探し・中古物件探しをする上で、まず考えなければならないのは「エリアの決定」です。生活の利便性を優先し都心にするのか、それとも子供たちのために環境や住みやすさをポイントにおき郊外にするのか、何に重点を置くかでエリアがおよそ決まってくると思います。

エリアが決定できたら、具体的な土地探しとなってきます。大手不動産会社から地域の不動産会社、SUUMOHOME’Sなどの土地検索サイトを利用し、候補地を探していきます。そうすることで、地域の土地価格をだいたい理解することができます。いくつか候補をあげたら、次に現地に行き、私たちも含め、ご自身でも土地調査を行うことが大切です。土地調査のチェックポイントは次の通りです。


2. 土地調査のチェックポイント


①通勤や通学経路(最寄り駅・所要時間・交通条件・バス利用するかどうかなど)

②周辺環境1(学校・病院・市役所・スーパー・公園までの距離など)

③周辺環境2(道路の騒音や振動・鉄道の騒音や振動・送電線・墓地などとの関係)

④周辺環境3(地域コミュニティ・近隣の状況・空き地の有無など)

⑤土地の面積(どの程度の建物が建てられるか)

⑥土地の形状(整形の土地かどうか)

⑦土地の高低差(擁壁の有無など)

⑧日照条件(土地の方位・接する道路の位置・周辺建物との距離・密度感など)

⑨既存建物のあるなし(ある場合は、規模や構造を確認)

⑩建築条件が付くかどうか

記簿上の記載(権利の別・地目)

⑫法条件(市街化区域・都市計画区域・防火地域・接道条件など)

⑬地盤条件(地盤の履歴・浸水歴・過去の使用用途など)

⑭インフラの引込み状況(給排水、ガス設備などが敷地内まで引込まれているか)

一般の方であれば、チェックポイントのうち、おそらく視覚的に見える①~⑧あたりを判断の拠り所として土地を選定し、不動産屋が作成した建て売り住宅風のプランをベースに、直感的に買うかどうかの判断をされていると思います。同じ予算で少しでも①~⑧の条件が良い土地を探すのではないでしょうか。

しかし、「土地+建物のトータルコスト」で考えた場合は、①~⑧のポイントより、⑨~⑭のポイントの方がが重要になります。⑨~⑭次第で建築費が数百万円単位で変わってくるからです。


3. 住まいを建てることのできる土地かどうか

 

せっかく購入した土地に、住まいを建てることができないのではどうしようもないので、まず調査する必要があるのは⑪の登記簿上の記載や⑫の市街化区域・接道条件による、その土地に建物を建てることができるかどうかという問題です。

農地や市街化調整区域は原則として(一部、例外もありますが)住まいは建てられません。また、敷地が4m以上の道路に2m以上接しているかどうかという問題も、確認申請の絶対条件となるので、調査が必要です。4m未満の道路でも位置指定された私道や、「2項道路」と呼ばれる道路であれば建築可能ですが、これは市役所などに行って確認する必要があります。また、「43条ただし書きの道路」と呼ばれる、2項道路にもならない道路を救済できる特殊な道路もあり、これなどは、専門家に役所に行って調査してもらわないと、なかなか分かりません。

さらに、最近は地域により「敷地面積の最低限度」といったものもあるので、建てられるかどうか、という問題には細心の注意を払う必要があります。

 

4. 余分なコストアップはないかどうか


その土地に住まいを建てられることがわかったら、次に考える必要があるのは、住まいを建てるとき、余分なコストアップがないかどうかという問題です。

⑦の土地の高低差があり、大がかりな擁壁を造らざるを得ない場合は、100万円単位のコストアップになる可能性があります。

⑨の既存建物があり、解体撤去をせざるを得ない場合も、コストアップになります。一般的に住宅の解体撤去費用は、3〜4万円/坪かかります。30坪程度の住宅であれば90〜120万円程度のコストアップになります。

⑫の法条件によるところでは、例えば容積率に余裕がなく地下を作る場合などや、防火規制でRC造にする必要がある場合などは、数100万円単位でコストアップになる可能性があります。
 
⑬の地盤条件によるところも大きいです。田んぼや畑などを宅地とする場合は要注意です。田んぼや畑は地耐力が低く、地盤補強が必要になることが多いです。地盤改良費は表層改良で50万円程度、柱状改良で80万円程度、杭打ちの場合だと100万円程度、あるいはそれ以上のコストアップになる可能性があります。

⑭インフラの引込みがない場合も、40万円〜100万円程度のコストアップになります。また、インフラ引込み工事は役所の決めた指定工事店の言い値で決まるため、金額のコントロールは難しくなります。

このように、土地の調査は非常に専門的で、なかなか一般の方の手に負える問題ではありません。専門家であっても一定の調査や、ある程度の計画案の作成無しに、全てを判断するのは難しいと思います。

 

4. お得な土地の選び方


当たり前の話ですが、日当たりが良く、駅に近く、整形で平坦な土地は、人気があり高額になります。土地探しの世界では「掘り出し物の土地はない」というのが定説で、運良く安いという物件はまずありません。安い土地は訳があって安い、ということになります。ですから、お買い得な土地を探そうと思ったら、誰にとっても魅力的な土地を探すのは得策ではありません。

嬉しいことに土地探しの時、日本人なら誰しも「日当たり最優先」で考えます。しかし、単純な明るさを確保するには北側窓でも十分すぎるほどの光量が確保できますし、トップライトや中庭を併用すれば、南面にはさほどこだわる必要がないように思います。この条件を外すだけで随分土地探しの選択肢が増えるのではないでしょうか。

むしろ日照より、周囲に取り込める環境があるかどうかの方が、土地選びの重要なポイントになると思います。方位を問わず、隣地にオープンスペース(緑地や公園、幅員の広い道路など)があるとか、ある特定の方向の眺望や借景に優れるとかいうことがあれば、それを手がかりに住宅の構成を組み立てていくことが可能になります。

予算的に買える土地は限られるので、周囲の環境を含めて土地の価値を自らの価値観で考え直すわけです。例えば、接道方向が北側でかつ土地の面積が30坪と小さくても、道路を挟んだ敷地の反対側に市街化調整区域が広がっているというような土地は、南側の風景を取り込めれば、魅力的な住まいができるでしょう。また、接道方向が北側であっても土地面積が45坪程度あれば南側に庭を設けて日当りの良い住まいをつくることは十分可能です。

これをトータルコストの議論を踏まえて考えると、お得感が強いのは、

(1)隣地にオープンスペースがある

(2)土地と道路はほぼ平坦(やや傾斜がある時は雛壇造成されていない方が良い)

(3)建物の形は自由に決められるので不整形地でも可

(4) 接道方向は北向きでも可

(5)インフラ整備済み(給排水が敷地内に引き込まれていること)

というような土地です。