日の出と日の入り_建築家の考える住まい

お客さまからの質問、「リビングの東の窓を西にしたらどうなりますか?」実に素朴な疑問だな〜と思いながら、小学校や中学校で習う理科の授業のようなグラフにてご説明させていただきました^^(現計画ではリビングに南と東におおきな窓を設ける計画としています。)

 

<東窓のメリット、デメリット>

東窓は朝日が入ります、いわゆるご来光、です。日本では縁起の良いものとされていることもあり、東窓には良いイメージがあります。

ただし、東窓は午後(太陽の南中以降)日照は得られません。添付図を見ていただくと良くわかるのですが、夏は「日の出〜南中」の時間が「南中〜日の入り」の時間より長く、冬は「日の出〜南中」の時間が「南中〜日の入り」の時間より短いです。

つまり、実は夏暑く、冬寒いというのが東窓の特徴です。

 

<西窓のメリット、デメリット>

西窓は夕日が入ります、強い西日が入るとも言えますし、ビューティフルサンセットが見えるとも言えます。日本では西窓は西日が強いこと、風水的にも良くないこともあり、避けられる傾向にあります。私が最初にプランするときも、あえて西におおきな窓は設けたりしません。西窓はデメリットであるという固定観念が強すぎるからです。(西にしか窓が設けられない場合は除きます)

でも実際は、西窓の夏は「日の出〜南中」の時間が「南中〜日の入り」の時間より長く、冬は「日の出〜南中」の時間が「南中〜日の入り」の時間より短いので夏涼しく、冬温かいということが言えます。

 

<西窓をオススメします>

唯一心配なイメージの強い、夏の西日の処理をきちんと計画すれば、西窓は冬と春のはじめ、秋の終わりと一年の中で一番日照の得たい時期に得ることができるというおおきなメリットがあります。

今回の計画での具体的な西日の処理の方法は、ガラスを遮熱Low-eのペアガラスとしたり、壁の断熱材の性能を上げたり、外壁部に日除け兼、目隠しルーバーを設置したり、部屋にブラインドを設置することです。これで問題のないレベルまで解決できると思います。

また、ブラインドや日除けルーバーもできればバーチカルブラインド(縦のブラインド)とすれば西日を避けながら、通風を得ることができます。(夏場の通風は特に重要です)

日本の気候を考えると南西の窓が一番合理的だということがお分かりいただけるのではないでしょうか?