生野区の家_伝統のあるラグジュアリーコートハウスはお引き渡しさせていただく前に完成見学会と撮影の機会をいただくことができました。完成見学会では数組のお施主様、設計関係者さん、学生さんなど、たくさんの方々に見学いただくことができ、これまでの苦労や楽しみなどを共有していただける、充実したひとときとなりました。
エントランスは東側に大きな窓があり、朝日が差し込みます。ホワイトマーブルの磨きタイルに光が映り込み、明るく爽やかな空間となりました。洗面カウンターもホワイトマーブルの磨きタイルとし扉や壁をグレージュで合わせることで、落ち着いたラグジュアリーな空間を目指しました。
階段や手摺のデザインは特にお施主様もこだわられていた箇所ですので、窓廻りのデザイン、アクセントのタイル、お施主様お気に入りのペンダントライトをどのように組み合わせ、納めていくか、一つ一つ積み重ねてデザインさせていただきました。
階段ホールは比較的プライバシーが高く、気持ち良く、空の見えるダイナミックな空間です。3層吹き抜けの空間は迫力があります。
階段の踏み板、スチールのササラ、手摺の形状、木笠木のデザインなど試行錯誤させていただきました。下から見上げても美しく、規則性を持って、踏み板が積み重なっていきます。
オークの踏み板とオークの手摺は棟梁ら大工さんより、しっかりと納めていただきました。かな〜り、手間をかけていただいた工事です。
リビングは収納をたくさん取り、かつ、飾れるスペースも確保させていただきました。当初お施主様のイメージを伺ったときから、グレージュ、ホワイト、グリーン、ゴールドの組み合わせを考えていましたが、想像通り、上質に仕上げることができました。
ダイニングキッチンはホワイトを中心にインテリアを検討させていただきました。中庭に面することで、光を取り込むことができ、間接照明も相俟って、温かみのある空間となりました。
リビング、ダイニングキッチン、中庭を見ます。ダイニングキッチンは天井高さ2600mm、リビングは天井高さ3350mmとし、開放的な空間とさせていただきました。3階建ての耐火建築物でこの開放感を実現するために、デザインはもちろん、法規、構造も様々な工夫を凝らしています。
リビングから中庭を見ます。天井高さ3350mmの空間で、天井はオークの羽目板貼りとさせていただきました。建築、家具、カーテンなどトータルでコーディネートされ、落ち着いた上質な空間となりました。
撮影では北浜の植栽屋さんEN/PIREの山本さんに、素敵な観葉植物をご協力いただくこともでき、良い感じに撮影できました。撮影にお貸しいただいたフランスゴムの木は可愛すぎて、事務所にて引き取りさせていただき、これから立派に育てていく予定です。山本さんありがとうございます。そして芦屋の家もよろしくお願いいたします。
お施主様とは初めてお会いさせていただいてから2年と3ヶ月ほどになります。60代70代のお施主様ご夫妻がコロナを機に、20年間、何度も諦めかけられた家づくりを決断されました。その思いに感激し、必ず自分が、誠実に、全てがうまくいくように、考えさせていただきたいと必死に取り組んできました。
途中、土地形状の変更があり、まとめ上がっていたプランをすべてやり直したり、何度も何度もショールームに足を運び、一緒に決めていただいた仕様が、ある日、全く別の仕様に決まったり、タイルの仕様が設計打ち合わせ時から、ほぼ全て変更があったりと、仕様が決まったと思ったら次の日にはやっぱり、、、と、ずっと大丈夫かな〜と、ハラハラドキドキでした笑
一度だけ、気持ちの余裕がなくなり、当初の思いに答えることができない、と考えてしまうことがありました。そう考えた次の瞬間には、大きな後悔と、申し訳なさでいっぱいになり、必ず、最高の形でお引き渡ししようと、また、心に誓いました。
ですから、工事が思うように進まず3ヶ月遅れたり、何度も決定と伝えた仕様の商品が発注できていなかったり、なかなか連絡の取れない工務店さん、、、とも辛抱強く協議し、進めていくことができました。
いよいよお引き渡しという時に、お施主様より「こんなに素敵な家にしてくれてありがとうございます。はやく住みたいです!」と興奮気味にお言葉を頂いた時にようやく、ああ、この仕事はきっと自分にしかできなかったのだと、本当に誇らしく、嬉しく、初めて自分を褒めてあげたいと思いました笑。
もう少し工事は残り、お引越しごもご迷惑をおかけしてしまいますが、20年越しの新生活をこれから満喫いただけるよう、しっかりと進めさせていただきます。
最後に、工事監理からは特にスタッフのTちゃんがいてくれなければ、前向きに、楽しく進めれていなかったと思います。本当に頑張ってくれてありがとう、支えてくれてありがとう。